トップ > 日本靴下界のパイオニア ナイガイに聞くこれまでの100年とこれからの100年~後編~
2020.10.27

日本靴下界のパイオニア ナイガイに聞くこれまでの100年とこれからの100年~後編~

INDEX
目次

日本で初めて近代的設備を導入し、靴下作りを始めたナイガイ。自社ブランドソックスの他、ポロ・ラルフローレンやプーマといった有名ブランドのライセンスソックスも多数手がけている為、実は私達の生活の中にもナイガイソックスが数多く存在する!?

PROFILE
話す人

今泉賢治(いまいずみ けんじ)
今泉賢治(いまいずみ けんじ)

株式会社ナイガイ代表取締役社長
早稲田大学社会科学部卒、1987年入社、2004年靴下事業部商品第一部長、08年執行役員、09年取締役、12年ナイガイ・イム代表取締役を経て、15年より現職


PROFILE
話す人

土屋聡子(つちや さとこ)
土屋聡子(つちや さとこ)

株式会社ナイガイ 執行役員
商品部企画室にデザイナーとして入社後、企画室長、企画開発部長を経て20年、
チェーンストア部担当 商品部門技術開発部担当 兼 技術開発部長


INTERVIEWER
聞く人

垣内俊哉(かきうち としや)
垣内俊哉(かきうち としや)

1989年に愛知県安城市で生まれ、岐阜県中津川市で育つ。生まれつき骨が脆く折れやすいため、車いすで生活を送る。障害を価値に変える「バリアバリュー」を提唱し、大学在学中に株式会社ミライロを設立。


前編ではナイガイの歴史や、「みんなのくつした」の誕生秘話を語っていただきました。
まだ読んでいない方はこちらからぜひご一読ください。

「みんなのくつした」は品質と価格の両立を目指す

垣内
垣内
「みんなのくつした」のポイントはどういったところにあるのでしょうか?
一例ですが、つま先の方に編み込みの線を入れているので触感でサイズがわかったり、締め付けが気にならないようにゴムのない靴下にしています。他にも留め具や包装紙といった副資材までこだわりを詰め込みました。
土屋さん

写真 代替テキストは下にあります
こだわりを説明する土屋執行役員

垣内
垣内
副資材にもこだわりがあるのは驚きました。でも、そういえば靴下って買った時にピンみたいなのをハサミで切ったりしますが、あのピンってよくどこかに飛んで行って困りますもんね。
特に視覚障害のある方だと飛んで行ったピンを探すだけでも一苦労です。それに、本来不要な副資材を減らすという事はエコにもつながるんです。
土屋さん
垣内
垣内
ユニバーサルデザインだけでなくエコにもつながるのは素晴らしいですね。

写真 みんなの靴下
「みんなのくつした」には不要な副資材が使用されないエコも意識がされている。

垣内
垣内
みなさまから並々ならぬ熱意を感じています。どういったモチベーションで取り組まれているんですか?
モチベーションというよりは、「少なくともこつこつと10年は続けてみよう」という決意ですね。
今泉さん
垣内
垣内
素晴らしい!今までユニバーサルデザインというのは2004年が一番ブームになりそこからずっと下降の一途でした。同じく取り組みを行う企業様も年々減少しているという印象です。そうした中で何故10年続ける決意をされたんですか?
お客様の声の中に、「せっかく気に入った靴下も、次に買いに行ったら廃番になっていた」という声も多くありましたし、こうした取り組みは、継続してこそ意味のあるものだと思ったんです。
土屋さん
垣内
垣内
立派なお考えだと思います。しかし一方で投資コストなどの兼ね合いはどの様にお考えでしょうか?
みんなのくつしたはビジネスとして取り組んでいますので、投資コストに対して売り上げを立て回収する予定ですが、まだまだ投資の段階です。
今泉さん
垣内
垣内
更なる商品開発の為の追加投資という意味ですか。どういう意味でしょう?
より購入しやすい価格設定をすることが必要です。今回行った試着会であるモニターさんが「これ、めちゃくちゃいいです。で、気になるお値段は?」と聞かれた時に「1足1,000円です。」とお答えしたら、「なかなか買えないよ」と一蹴されました。(苦笑)
今泉さん
垣内
垣内
(苦笑)。
要はどんなに良い商品を作ってもみんなが手に取りやすい値段にしないと意味がないんですよね。現在はこの価格でも採算がとれていない状況ですが、10年続けるためには今後こうした課題も解決しないといけないと考えております。
今泉さん

写真 説明は下にあります。
試着会の思い出を振り返る今泉社長

製造メーカーではなく悩みを解決するソリューション企業へ

垣内
垣内
お伺いする所「妥協なし」というところですが、ナイガイさんは今後どの様な会社になることを目標にされているんでしょうか?
私達はレッグソリューションカンパニーを目指しています。
今泉さん
垣内
垣内
「足のお悩みを解決する会社」という意味ですか。
お客様の目線に合わせて、コンシェルジュのように対応できたらよいですね。
今泉さん
垣内
垣内
そういった意味では、「みんなのくつした」製作もそれを実現する為の取り組みというお考えでしょうか?
まさしくそうですね。お悩みを持っている方に寄り添い、ひとつずつ解決していくことが重要だと考えています。
今泉さん
垣内
垣内
手応えはいかがでしょうか?
先日の試着体験会でも、参加者の方と私達の開発者の目線が合わせられるようになってきたと実感しました。
今泉さん

写真 代替テキストは下にあります
レッグソリューションカンパニー実現への想いを語る今泉社長

お困りごとの解決に向けて、チームはモチベーションとアイディアに溢れています。
土屋さん
垣内
垣内
どんなアイディアを今後展開されるのでしょうか?
まずはECサイトで片足売りや商品の表現方法をもっとイメージしやすいものにしたいですね。
土屋さん
垣内
垣内
片足売りなんかは確実にニーズのある領域ですね。
シニアの方にはECサイトより、カタログや新聞などの方が身近なのではないかと考えてみると、お客様視点に立ったチャネル開発をしていく必要があります。
今泉さん
垣内
垣内
社長自らが本気で取り組まれているからこそ、みなさんからもアイディアが続々と出てくるんでしょうね。もう既に、ECサイトでお買い物ができるんですか?
はい、弊社ECサイトからお買い求めいただけます。
土屋さん
垣内
垣内
現物はミライロハウスでご確認頂け、ECサイトでもお買い求めできるんですね。

株式会社ナイガイのECサイトはこちら

ハードもハートも変わる社会

今回、垣内さんとの出会いのタイミングもよかったのかなと思っています。
今泉さん
垣内
垣内
どうしてですか?
ちょうど100周年の節目の変革を意識しているときでした。
今泉さん
それに、今は多様な価値観というか個性も受け入れられる世の中になっていると思うんですよ。実は今年26歳になる私の子どももダウン症なのですが、26年前と今とでは周囲の人々の障害に関する受け止め方が違っていると感じます。
今泉さん

写真 代替テキストは下にあります
人々の価値観が多様化していることを語る今泉社長

私達が扱っているハッピーソックスが、男女問わずいろんな方からご支持をいただいているというのも、そうした多様性を認め合う社会に変わっている表れだと感じています。
今泉さん

写真 ハッピーソックス
ハッピーソックスとはカラフルなデザインが特徴的なスウェーデン発祥のブランドソックス
詳しくはこちら

垣内
垣内
先ほど、26年で変わっているということを実感されているとのことですが、これが50年、100年というスパンで見るともっと大きく変わる事は確実ですよね。
垣内さんに講演で「障害は環境がそう感じさせているものだ」と教えていただきました。心にバリアを抱かせないよう対応したいですね。
今泉さん
垣内
垣内
そうですね。モニターさんの中でおしゃれな靴下を買う事すらバリアを感じるとお話もありましたが、みなさんとハートとハードのバリアを解消し、みんながいきいきと外出できる社会をこれからも作り続けたいですね。

RELATED

関連記事


POPULAR

人気記事

スロウプとは

これまで届きづらかった“多様な思い”を、多くの人に届けるWEBメディアです。
段差を解消するスロウプに、色んな素材や形があるように。
私たちは、人によって、思いによって、切り口を柔軟に変えて、ミライへと伝えていきます。
昨日よりも今日、今日よりも明日、一つでも多くの視点が、社会に生まれますように。